エルメス(HERMES)は、創業160年を超える歴史あるブランドですよね。
そんな歴史のあるエルメスは、現在も本店のあるフランスのパリで設立されました。
今回は、エルメスの誕生秘話と現在のエルメスへの変遷、そして、時代の先駆者として世界に先駆けたもののお話しをしていきたいと思います。
エルメスは馬具工房から誕生!受け継がれる一流の誇り!
エルメス(HERMES)はパリに1837年に開かれた馬具工房が始まりです。
始めたのは、ティエリー・エルメス(Thierry Hermes)です。
1837年のパリと言えば、パリ・サン=ジェルマン鉄道のサン・ラザール駅が建設されました。
サン・ラザール駅はその美しさから、さまざまな印象派の画家に描かれました。
中でも1877年にクロード・モネが描いた絵は有名ですよね。
ティエリー・エルメスは、40歳でこの馬具工房を開きました。
ティエリーは元々馬具職人として働いており、その働きぶりは真面目でとても丁寧でした。
彼の作る馬具は次第に評判となり、上流階級の高貴な人々に好まれ、沢山のお客がつくようになりました。
そして、1837年にパリにお店を構えるまでになったのです。
その後もティエリーは上質な馬具を作り続け、1867年に開かれた第2回万国博覧会では、馬具部門で銀賞を受賞するまでになりました。
次の万博ではもっと良いものをと金賞を目指していたティエリーですが、1878年に77歳でその生涯を閉じます。
ティエリーの丁寧な仕事や技術力は、息子のシャルル・エミール・エルメスがしっかりと受け継ぎ、同年に開かれた万博でついに金賞を受賞しました。
その後、シャルル・エミール・エルメスは1880年に現在まで続く本店の住所にお店を移しました。
3代目となるエミール・モーリス・エルメスは経営力に優れていて、時代を先読みする力を発揮し事業を多様化させ、規模を広げていきました。
その大きな転機となったのは、アメリカで1903年に自動車を製造するフォード(Ford Motor Company)が設立され、移動手段がが馬から自動車に大きく舵をきったときでした。
その時代変化をいち早く掴んだエミール・モーリス・エルメスは、今も世界中で憧れ愛されるバッグや財布の製造へと事業をシフトしていったのです。
このことがエルメスの長い歴史の中でも大きな転機となりました。
このエミール・モーリス・エルメスの時代に現在でも世界中から憧れ愛されるエルメスの基礎が作られたのです。
上質なアイテムを製造し続けたため、貴族御用達の高級ブランドへの地位を確立していきました。
また、エルメスは馬具作りをやめてはおらず、創業時からの丁寧な仕事・完璧を求める姿勢はそのままで、受注生産という形で馬具を作り続けています。
その馬具美しい形はエルメスのホームページでも紹介されています。
用途に合わせて馬にも人にも優しく使いやすい、素材にもこだわった上質な馬具を作り続けており、不動の人気を得ています。
ケリーバッグやバーキンのデザインやカラー、そしてサイズや収納力に至るまで初代エルメスの精神は、今も受け継がれているのです。
現在まで850種類を超えるデザインが生み出されたスカーフは1937年に第1号が発表されました。パリの大人の女性はスカーフの巻き方がオシャレなのは、色彩豊かで美しいエルメスのスカーフが身近にあるからかも知れませんね。
その後、世界大戦を経て、エルメスは今尚変わらないブランドのロゴ『デュックとタイガー』を発表し、その後も発展を続けました。
1951年には、3代目のエミール・モーリス・エルメスの娘婿である、4代目のロベール・デュマ・エルメスが就任しました。
ロベールは香水と魅力的な柄のスカーフに力を注ぎ、事業をさらに拡大させていきました。
1837年に馬具工房として始まったエルメスは、丁寧に真摯に作る意思はそのままに、様々な事業展開を経て、今なお時代を先駆ける存在でいるのです。
【エルメスが始めたもの】
時代の先を読むことに長けているエルメス一族は「エルメスが初めて行ったこと」の多さからもわかります。
1920年には、初めてバッグにファスナーを使用しました。エルメスはCHANELのスカートにも自社のファスナーを取り付けていました。
また、現在のブランド腕時計としてのモデル事業を構築したのもエルメスです。
時計の事業に本格的に参入したのは、1927年のことでした。
さらには、現在では世界中の街中で見られるショーウィンドウですが、そのウィンドウディスプレイを開始し、芸術の域にまで高めたのもエルメスなのです。
ファッションの世界の、先駆者と言ってもいいかも知れません。
時代の移り変わりの激しいファッションの分野で、長く一流を維持し続けてきたエルメスが、人気ランキングで、常に一流を維持できる理由はと申しますと、
時代の先読み
世の中から求められる上質なものを真摯に作り続けてきた
この二つならではないでしようか?
自身の信念はそのままに、時代にあった商品を世に送りだし続ける事は、たやすい事ではありませんよね。
時代ごとに求められるものを作るには、こだわりだけではなく柔軟な考え方が必要です。
創業2世紀も近づいてきたエルメスは時代に合わせて進化し続けているのですね。
これからもエルメスは、その素晴らしい信念を貫き、一流であり続けると私は思っています。
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